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三島由紀夫は谷崎潤一郎をどう見たか「日本語を代表した偉大な作家」

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小説家の三島由紀夫は小説家の谷崎潤一郎をどう見たのだろうか。三島は谷崎潤一郎について『対談集・源泉の感情』(河出文庫)の舟橋聖一との対談で言及している。

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この記事に登場する主要な人物

三島由紀夫(小説家)‥‥‥ Wikipedia
谷崎潤一郎(小説家)‥‥‥ Wikipedia

「谷崎ほどの大作家が死んだのだから国家が弔旗をかかげてもいい」

三島由紀夫は対談の冒頭、最近谷崎潤一郎が亡くなったことに対する世間の反応が薄かったことについてこのように述べている。

三島 僕は谷崎さんが亡くなったあと、ずっと世間を見ていて慨嘆したことがあるんです。これだけの作家が亡くなれば、国家が弔旗をかかげてもいいし、国民が全部黙祷してもいいんじゃないかと思いますがね。

とにかく世間の言いかたは、大往生、幸福な死に方だったというだけでね。谷崎さん、もちろん生きることを楽しまれたには違いないけれども、仕事にはほんとうに苦しみを続けてやられた。その一生の成果が国民的な哀悼という形で迎えられないというのは、ちょっと僕は慨嘆にたえない。

引用:三島由紀夫『対談集 源泉の感情』(河出文庫、2006年)42頁

「谷崎は町人文化を代表しているがゆえに評価されづらい」

また三島は、谷崎はその功績に比例して評価されづらい理由について、武士文化と別種の町人文化を代表しているがゆえに、評価されづらかったのだと推測する。

三島 もう一つ考えられる理由は、谷崎さんが町人文化の上の人だということでしょうね。僕たち、鴎外に対していつもあこがれを感じるのは、さむらい文化の成果だから。それで、ああいうものにわれわれちょっとよわいところがあって、谷崎さんはそういう要素が全然ないという点じゃ、実に徹底していますからね。

志賀直哉さんには、やっぱりさむらいの血筋がありますけれども、谷崎さんには全然さむらい的なところがない。しかし、まあ町人文化でも大近松になり西鶴になるので、ああいう流れの日本の文豪というものは、いつもそういう目に会うんですね。

引用:三島由紀夫『対談集 源泉の感情』(河出文庫、2006年)45頁

「谷崎は自己韜晦に成功した人」

さらに三島は舟橋聖一の「谷崎さんは一生格闘した人だと思う」という言葉を受けてこう語る。

三島 やっぱり都会人で、羞恥心が強いから格闘なんていうところ、人に見せたくないし、それで、闘っているなんて、野暮な下品なことですから見せたくない。なるたけ負けたような顔をして、そして非常に自己韜晦の成功した人だと思いますね。世間はわりあいすなおで、「そうですか。じゃ、あなた闘ってないんでしょう」ととるんだから、ばかですね。

引用:三島由紀夫『対談集 源泉の感情』(河出文庫、2006年)55頁

自己韜晦(じことうかい)は自分の本心を隠すことを意味する言葉

「日本語をあそこまで代表した谷崎は偉大」

また三島は、戦後、ヒューマニズムと関係のある文化人が重点的に評価されるようになったと述べてから、こう語る。

三島 だけど、日本人というのは、何もヒューマニズムの哲学をもっているから偉大なんじゃなくて、日本語というものをあそこまで代表した作家なら、偉大じゃないか。ヒューマニズムなんて西洋の輸入物なんだから、少なくとも日本の文学伝統の上に立って、それをあそこまで、日本語のああいう美的な大構築物をつくったというだけでも、偉大なんじゃないか。そういう意味では、美術家や建築家の偉大と似ているんじゃないかと思うんですよね。

引用:三島由紀夫『対談集 源泉の感情』(河出文庫、2006年)58頁

対談相手の舟橋聖一については下記参照。

舟橋聖一は日本の小説家。1904年(明治37年)~1976年(昭和51年)。戯曲『白い腕』を発表し文壇入り。戦後『雪夫人絵図』などの風俗小説で流行作家となった。相撲好きで横綱審議委員会の委員長も務めた経験がある。(参考:Wikipedia

『源泉の感情』の見どころ・読みどころ

今回の記事内容は『源泉の感情 (河出文庫)』から引用した。

『源泉の感情』では、小林秀雄、舟橋聖一、安部公房、野坂昭如、福田恆存、芥川比呂志、石原慎太郎、武田泰淳といったそうそうたる文士と三島の対談は当然面白いのだが、管理人が個人的に面白かったのが伝統芸能の名人たちとの対談である。

肉体を用いた表現者と言葉を用いた表現者である三島との対談は通じ合うようでまったく噛み合わず、その不成立具合が一周して逆に面白い。

これには三島も後書きで素直に「参った」と述べ、さらに

言葉で表現する必要のない或るきわめて重大な事柄に関わり合い、そのために研鑽しているという名人の自負こそ、名人をして名人たらしめるものだが、そういう人に論理的なわかりやすさなどを期待してはいけないのである。

今も思い出す最大の難物は故山城少掾で、この対談に冷汗を流して格闘した結果、すんだあとで、私は軽い脳貧血を起こしてしまった。

引用:三島由紀夫『対談集 源泉の感情』(河出文庫、2006年)421頁

と言って白旗を上げている。(山城少掾やましろのしょうじょうは名人と謳われた義太夫節大夫。参考:Wikipedia

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