後藤忠政から見た野村秋介「爽やかな男」「話していて誠を感じる」

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山口組系の組長だった後藤忠政は右翼の野村秋介とは生前懇意にしていたという。

その野村について、後藤忠政は自著の中で言及している。

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「爽やかな男」「話していて誠を感じる」

山口組の二次団体である後藤組組長だった後藤忠政は、自著の『憚りながら』(はばかりながら)の中で友人だった右翼の野村秋介についてこのように語った。

俺が四代目(山口組)の直参になる直前、初めて「生涯の友」と呼べる男に巡り合った。それが野村秋介さんだ。(中略)

なかなか面白い男だなぁと思ったね。やってることだけじゃなくて、言ってることも。それで「ああ、この男とならこれから付き合っても、色んなことをしゃべっても楽しいだろうな」と思った。本当にいい出会い、素敵な出会いだったな。

引用:後藤忠政『憚りながら』(宝島社、2010年)132・135ページ

最初から最後まで爽やかな男だったな、野村さんは。色んな権力と闘う時も、事件を起こす時も、捕まる時も、ムショに入る時も、死ぬ時も。往生際もよかった。

引用:後藤忠政『憚りながら』(宝島社、2010年)156ページ

さらに野村秋介の墓地がある寺の住職で、後藤自身の得度の面倒を見た僧侶について言及する箇所で、後藤は野村についてあらためて触れている。

俺にとっちゃ、現役時代から本当に腹を割って話ができる数少ない友達だし、何と言っても、亡くなった野村さんと一緒で、話していて「誠」を感じる人だから。

引用:後藤忠政『憚りながら』(宝島社、2010年)296ページ

また余談だが、ここで触れられている住職の背には、「野村秋介」、その野村の句「俺に是非を説くな 激しき雪が好き」、「後藤忠政」という三つの言葉が刺青で彫られているという。

後藤忠政『憚りながら』の見どころ・読みどころ

この記事の引用文は後藤忠政の著書『憚りながら(はばかりながら)』からのものである。

『憚りながら』では、後藤忠政が、父や兄にいじめられていた幼少期の記憶から説き起こし、静岡での愚連隊時代、山口組組長時代など、各時期についてそれぞれ起こった出来事や印象に残ったことなどを語っている。

その面白さは暴力団組長としての後藤忠政の経歴に興味のある人にとっては無論のことだが、そこに出てくる人物の多士済々な顔触れは、仮に裏社会に興味のない人でも興味深く読めるのではないか。

裏表問わず縦横に繰り広げられる後藤の人物評は、賛否はともかくとして、なるほど例え裏社会であっても位人臣を極めた人はそれなりの一家言を持つに至るものなのだな、と思わせてくれる。

また言うまでもなく、子供から不良少年に、不良少年からチンピラに、チンピラからヤクザに、そしてヤクザ渡世を引退、という後藤忠政のヤクザ渡世を俯瞰できるこの著書は、アウトローに興味のある人なら一度は読んでみても損はないものである。

この記事の主要な登場人物:後藤忠政と野村秋介

後藤忠政(元暴力団組長)‥‥Wikipedia
野村秋介(右翼)‥‥‥Wikipedia
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