ゲーテの見たクロード・ロラン「完全な人」「美しい思想と美しい感情を抱いている」

この記事は約2分で読めます。

ドイツの詩人ゲーテは画家のクロード・ロランをどう見たのだろうか。

ゲーテはクロード・ロランについて『ゲーテとの対話』の中で言及している。

『ゲーテとの対話』はゲーテに親しく接したエッカーマンによる著書。ゲーテを敬愛するエッカーマンがゲーテとかわした会話を詳細に綴っている。岩波文庫から上中下の3巻にわたって翻訳出版されている。
スポンサーリンク

「完全な人」「美しい思想と美しい感情を抱いている」

ゲーテはエッカーマンに「スープを待つ間、君に目の保養をさせてあげよう」と言って、クロード・ロランの風景画集を見せてこのように語った。

「わかるだろう、完全な人だ。」とゲーテはいった、

「この人は、美しい思想と美しい感情を抱いている。心の中には、外界にいては容易にうかがい知れぬような一つの世界があったのだ。これらの絵には、この上ない真実があふれている。けれども、現実はどこにも跡をとどめていない。

クロード・ロランは、現実の世界を隅から隅まで、すらすら空でいえるほど知りつくしていた。それを彼は自らの美しい魂の世界を表現するための手段として用いた。

これこそまさにほんとうの理想性だよ。現実を手段として利用しながら、真実に見えてくることがまるで現実であるかのように思いこませることを知っているのだ。」

引用:エッカーマン『ゲーテとの対話』中巻(1968年、岩波書店)117頁

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749年8月28日 – 1832年3月22日)。ドイツの詩人、劇作家、小説家。失恋で自殺する若い男性を描いた小説『若きウェルテルの悩み』は当時若者の自殺を触発するほどに流行した。カール・アウグスト公のもとでヴァイマル公国の政務にも携わり、その政治的な立場は保守的で、フランス革命には批判的だった。シラーとともに革新的な文学運動「シュトゥルム・ウント・ドラング」の先頭に立つ。劇作『ファウスト』、詩『西東詩集』、小説『親和力』、『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』などの優れた作品を生んだ。

クロード・ロラン

クロード・ロラン(1600年代 – 1682年11月23日)はフランスの風景画家。理想的な風景を追及する画風で知られる。ロレーヌ地方の貧しい家庭で生まれ、12歳で孤児になった。絵は一時期アゴスティーノ・タッシにも師事。1627年にローマで法王・ウルバヌス8世をパトロンにし、1637年頃から急速に名声を確立。作品の主題は常に陸海空の風景であり、絵の購入者には「自分は風景は売ったが人物はおまけだ」と語った。デッサンをまとめた画集は『真実の書(Liber Veritatis)』は後世、風景画の教科書となった。同時代を生きて交流のあった偉大な画家にニコラ・プッサンがいる。
タイトルとURLをコピーしました