ジョルジュ・バタイユはフリードリヒ・ニーチェをどう見たのだろうか。
バタイユは『純然たる幸福』(ちくま学芸文庫)でニーチェに言及している。
人物紹介
ジョルジュ・バタイユ
ジョルジュ・アルベール・モリス・ヴィクトール・バタイユ(Georges Albert Maurice Victor Bataille、1897年9月10日 – 1962年7月8日)は、フランスの哲学者、思想家、作家。フリードリヒ・ニーチェから強い影響を受けた思想家であり、後のモーリス・ブランショ、ミシェル・フーコー、ジャック・デリダなどに影響を及ぼし、ポスト構造主義に影響を与えた。
引用:Wikipedia
フリードリヒ・ニーチェ
「ニーチェの偉大さは、彼を圧倒した不運に自分の思考を一致させなかったことにある」
短いが引用する。テクストは『純然たる幸福』(ちくま学芸文庫)の「真面目さの彼方」。
ニーチェの偉大さは、彼を圧倒した不運に自分の思考を一致させなかったことにある。彼が屈服しなかったというのは、たしかに彼の運がよかったということではある。だが彼の幸福は、自分のなかで不幸を自由に語らせておかなかったということに帰着するのである。
引用:「真面目さの彼方」『純然たる幸福』(ちくま学芸文庫)345頁
「ニーチェの偉大さは、彼を圧倒した不運に自分の思考を一致させなかったことにある」という表現は秀逸であると思う。
そしてここでバタイユが「彼(ニーチェ)を圧倒した不運に自分の思考を一致させなかった」と言っているのは、平たく言えば、ニーチェが病魔に苦しんだにも関わらず、ペシミストにならなかったということを指している。
本記事で扱われるニーチェの著作では、以下のものはAmazonの電子書籍読み放題サービス『Kindle Unlimited』で読むことができる。(2022年11月11日閲覧時の情報)
- 『ツァラトゥストラはこう言った』上巻 (岩波文庫)
- 『ツァラトゥストラ(上)』 (光文社古典新訳文庫)
- 『この人を見よ』 (光文社古典新訳文庫)
- 『善悪の彼岸 』(光文社古典新訳文庫)