ドイツの詩人ゲーテは画家のクロード・ロランをどう見たのだろうか。
ゲーテはクロード・ロランについて『ゲーテとの対話』の中で言及している。
この記事の主要な登場人物
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
クロード・ロラン
「完全な人」「美しい思想と美しい感情を抱いている」
ゲーテはエッカーマンに「スープを待つ間、君に目の保養をさせてあげよう」と言って、クロード・ロランの風景画集を見せてこのように語った。
「わかるだろう、完全な人だ。」とゲーテはいった、
「この人は、美しい思想と美しい感情を抱いている。心の中には、外界にいては容易にうかがい知れぬような一つの世界があったのだ。これらの絵には、この上ない真実があふれている。けれども、現実はどこにも跡をとどめていない。
クロード・ロランは、現実の世界を隅から隅まで、すらすら空でいえるほど知りつくしていた。それを彼は自らの美しい魂の世界を表現するための手段として用いた。
これこそまさにほんとうの理想性だよ。現実を手段として利用しながら、真実に見えてくることがまるで現実であるかのように思いこませることを知っているのだ。」
引用:エッカーマン『ゲーテとの対話』中巻(1968年、岩波書店)117頁
ゲーテの代表作『若きウェルテルの悩み』は、評判が高い井上正蔵訳をAmazonの電子書籍読み放題サービス『Kindle Unlimited』で読むことができる。(2022年11月11日閲覧時の情報)